「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」――この3種類が、普通方式の遺言です。これらの遺言は、“普通”と言われる通り、遺言を残す人が「通常の状態にあるとき」に準備するものです。
「特別方式」の遺言は、「通常の状態にないとき」、つまり死に瀕しているときや、交通的に隔離された地域にいる場合に認められる、普通方式の遺言に対して、例外的な方式です。具体的に4種類とは、死に瀕した人が遺そうという場合に認められる死亡危急者遺言、伝染病隔離者の遺言、それから在船者の遺言、船舶遭難者遺言のことです。
一般的に「遺言」と言えば、普通方式を指します。
あくまで緊急時の例外として、特別方式というものがあると考えれば間違いありません。
ここでは、一般的な普通方式遺言について見ていきましょう。
遺言を書こうとする人が、自筆で書く普通方式遺言が、「自筆証書遺言」です。
“自筆”の範囲は、遺言の内容のすべてに及びます。日付及び氏名から、遺言の全文、また押印まで。そのため、自筆証書遺言では、パソコン等での作成は効力がありません。ワードなどのソフトで内容のみ書いて、日付や名前だけ自筆する、という方法では効力がないのです。
自筆証書遺言の良い点としては、シンプルなところですね。他の形式と異なって、公証人や商人の立ち合いが必要ありません。費用もかからず、簡単に作成できるというメリットがあります。
とはいえ、便利で手軽とはいえ、相続開始後も同様にシンプルな流れとはいきません。家裁による「検認」という手続きが必要とされます。遺言を作った人が亡くなってすぐ、相続が開始できるわけではありません。
また、第三者の立場の元で書かれたものではないため、相続開始後には、遺言の内容や有効性が考えられることになります。その結果、遺言の内容がすべて認められないこともあります。
例としては、「この遺言が書かれたときには、本人は重度の認知症の状態にあり、判断能力はなかった」「誰かに騙されて書かされたのではないか」――などの主張する人が出てきて、争いになることも考えられます。
秘密証書遺言は、相続が開始されるまで、内容を秘密にできるという遺言です。
作成した遺言に署名して(署名の部分のみ自筆が求められます)、押印し、それに封をして、遺言書に押したものと同じ印鑑で封印します。その封書を、公証人1人と、2人以上の証人の前に提出します。それから公証人が遺言書の提出日と、その内容を封書に記載し、遺言者・公証人・証人が署名・押印して、作成完了です。
特長としては、まずは、内容を秘密にできること。それから、署名部分の他は、パソコンで作成できるので、手軽といえば手軽です。ただし、公証人は必ず要ります。そのための費用も必要であり、手続き全体も、普通証書遺言と比べると、多少は煩雑であるかもしれません。
また、相続開始後には、やはり家裁による検認が必要。さらに、遺言を作成するときには、客観的な立会人がいません。そのため、相続開始後に、やはり紛争があるかもしれない可能性が残ります。
公正証書遺言の特長は、家裁の検認が必要ないこと。相続開始後すぐに執行できることです。
ただし、手続きは煩雑ではあります。というのも、まず求められるのは、2人以上の推定相続人を除く証人の立会いの下、遺言者がその公証人に対して、遺言の方式を口頭で伝えて、それが公証人によって筆記されなければなりません。また、そのように書かれた内容を、遺言者と証人に対して読み聞かせ、または目に入れ、遺言者と立会人がその正確性を確かめた後、署名・押印。それから公証人が、方式に従って作成した遺言であると付記し、署名・押印する必要があります。
このように作成の手順は煩雑で、費用も手間もかかってしまいます。
しかし、先述のように検認不要、相続開始後には、すぐに遺言に書かれた通りの内容が執行できるメリットは大きいでしょう。公証人が遺言が確かに遺言者の意思によって書かれたものであると、その法的正当性を担保する役割も担ってくれるため、紛争が起きにくいのもいい部分です。
遺言の作成方法には、ここまで述べてきたように、様々なルールがあります。どのような遺言の方式を選択すべきか、そしてそれを具体的にどうやって作るのか。判断に迷った場合には、鎌倉総合法律事務所までご相談くだされば、状況に応じてアドバイスします。
ご相談の仕方としても、「この人には遺言を見つけてほしくない…」「遺言は残したい。でも内容については秘密にしたい」といった、あくまでご自身の意思や漠然とした考えによるもので問題ありません。そのためにどうすれば法的に有効か、共に考えていく構えを整えております。
「一度書いた遺言を訂正したい、更生したい」――これも可能です。鎌倉総合法律事務所では、ご依頼者様の“現状”に合わせ、その都度最適な方式によって、遺言の更新にも対応します。例としては、公正証書遺言の内容について、一部のみ変えたい部分がある、という要望には、手間もかからず確実に法的に有効になるように、自筆証書遺言で対応するという方法なども提案できます。
遺言の内容は、個々の状況によって、推奨される方式が変わります。
まずはお気軽に「遺言について――」とご相談頂ければ、一から最適な遺言を共に考えます。
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まずはお電話かメールでご予約をお取りください。法律相談をしても必ずしもそのまま依頼しなければいけないという事はありません。
弁護士が直接事情や状況を伺います。ご相談の際には内容をまとめたメモや資料などをお持ちになる事をお勧めいたします。相談のみで解決した場合はこれで終了となります。
相談時に、事件をお受けする場合の報酬や経費などのご説明もいたします。その上でご希望の場合は依頼をしてください。持ち帰ってご検討いただいても構いません。
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