建物を借りるときの敷金・保証金・礼金って何ですか?
敷金と保証金は、どちらも家賃滞納や退去時の修繕費に充てるために、貸主に預け入れるお金です。それに対して礼金は、建物を貸してくれることに対するお礼としての意味合いで、貸主に支払うお金です。
建物を借りる際には、敷金・保証金・礼金の金額だけでなく、退去時に返ってくるかどうかを確認しておくことも重要です。
アパートやマンションを借りる場合(借家)や、建物を建てるために土地を借りる場合(借地)には、毎月の賃料(家賃・地代)とは別に、契約締結時にまとまった金銭(一時金)を支払うのが一般的です。
貸主は一時金を受け取る(場合によっては「預かる」)ことによって、安心して物件を貸せるようになります。借主にとってはデメリットが大きいようにも感じられますが、退去時に賃料が未払いとなっている場合に、一時金で清算できることもあるなどのメリットもあります。
この一時金には、大きく分けて敷金・礼金・保証金の3種類があります。これらは単なる名称の違いにとどまらず、どのような趣旨で支払うのか、退去時に戻ってくるのか、などの点で大きく異なることもあります。
まずは、それぞれの定義と三者の違いを詳しくみていきましょう。
敷金とは、住居を賃借する際に、貸主(大家さん)に預ける担保的な性質のお金のことです。
具体的には、借主が家賃を滞納してしまった場合や、退去時の原状回復費用を清算する際に、敷金から差し引かれることがあります。
ただし、賃貸借契約の継続中に借主から貸主に対して、「敷金を未払い家賃の支払いに充当してください」と求めることはできません。
敷金の相場は、家賃の1~2ヶ月分程度です。
礼金とは、借主から貸主に対して、「家を貸してくれてありがとう」というお礼の意味合いで支払うお金のことです。
法律上、礼金について定めた規定はなく、礼金はあくまでも慣習に基づくものです。戦後の住宅難の時代に、家を失った人たちが、部屋を貸してくれた大家さんへ感謝の気持ちでお金を渡したことから始まったといわれていますが、現在でも慣習として、礼金が賃貸借契約締結の条件とされることが多いです。
礼金の相場は、家賃の1ヶ月分程度です。
保証金とは、主に関西圏の居住用建物の賃貸借契約において、実質的に「敷金+礼金」としての役割を果たすお金です。
基本的には敷金と同様、家賃の滞納や退去時の原状回復費用を担保するために貸主が預かる性質のお金ですが、そこに礼金としての性質を有する金額が加算されるのが特徴的です。
保証金の相場は家賃の3〜6か月分程度で、通常の敷金よりも高く設定されることが多いです。そのうち、家賃の2~3ヶ月分が「敷引き」(退去時に必ず差し引かれるお金)とされるのが一般的となっています。
なお、店舗や事務所など事業用物件の賃貸借契約では、全国的に「保証金」という名称が使われるのが一般的ですが、その性質は「敷金」と同じで、賃料の滞納や退去時の原状回復費用を担保するためのお金です。
事業用物件の保証金の相場は、家賃の6~12ヶ月分です。
家を借りるとき、一時金が将来退去するときに返ってくるかどうかを確認することは、非常に重要です。以下で、それぞれみていきましょう。
敷金は、借主の賃料の未払いや借主の不注意による修繕費用、損害賠償金を担保するために、貸主に預け入れるお金です。従って、明け渡しの際には、借主が負担すべき金額を除いて、返還される性質のものです。
ただし、賃貸借契約時に「敷引き」を合意している場合には、上記とは少し異なります。(詳細は「敷引きって何?」を参照してください。)
礼金は、地域の慣行として、一時金として支払うものであり、(敷金・保証金と異なり、)明け渡し時に返還される性質のものではありません。また、仲介手数料についても同様に、正常に契約が成立し、建物等を使用した後で、明け渡し時に返還されるといったことはありません。
したがって、礼金を支払ったからといって、滞納家賃や借主に負担義務のある修繕費用に充てることができるものではありません。
主に関西圏の住宅賃貸借契約で用いられている保証金は、「敷金+礼金」の性質を有するものなので、「敷金」の部分は返ってきますが、「礼金」の部分は返ってきません。
返ってくる金額の目安は、おおよそ30~60%程度です。
最近では、敷金(保証金)、礼金とも0円で借りられる物件も増えています。
初期費用がかからないというメリットがありますが、家賃が高めに設定されていたり、退去時にまとまったクリーニング代や修繕費を請求されることも多いです。
また、入居時に鍵交換費用やクリーニング代を請求されて、初期費用0円というメリットが得られないケースも見受けられます。
建物を借りる際には、敷金・保証金・礼金だけにとらわれず、敷引きの特約なども含めて、総額でいくら負担することになるのかを確認することが大切です。
敷金や保証金の返還をめぐるトラブルは、非常に多く生じています。
ここでは、トラブルを未然に防ぎ、適切な返還を受けるためのポイントを3つご紹介します。
賃貸借契約の締結前に、契約書に以下のような特約が盛り込まれていないかを必ず確認してください。
このような、経年劣化や通常損耗の修繕費用まで借主に負担させる特約は、判例上、厳しい条件を満たさない限りは無効と判断されています。退去時に特約無効を主張するのも一つの方法ですが、なるべく入居時に、特約条項の削除、あるいは妥当な内容に変更するように交渉してみましょう。
貸主と借主との間で、「この傷・汚れは入居前からあったのか、入居後についたのか」について意見が対立し、原状回復費用でもめることも多いです。
このようなトラブルを防ぐためには、入居直後に部屋全体の状況や、既存の傷や汚れをスマートフォン等で日付入りで撮影しておくことが大切です。
退去時の立ち会い確認で、担当者に証拠を示せるように、写真やデータを保管しておくことも忘れてはいけません。
借主には「部屋を大切に使う義務(善管注意義務)」があります。これを怠ったことによる損耗は借主負担になってしまうため、善管注意義務を守ることは重要です。
故意に壁や窓などを破損してはならないのは当然のこととして、タバコのヤニや臭い、結露・サビ・カビの放置、油汚れの放置など、過失による損耗も善管注意義務違反となるため、注意しましょう。
★ 滞納家賃の存在や、発生した修繕費用等に借主の負担義務があるかどうかについて争いがある場合は、一度、ご相談ください。

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弁護士が直接事情や状況を伺います。ご相談の際には内容をまとめたメモや資料などをお持ちになる事をお勧めいたします。相談のみで解決した場合はこれで終了となります。

相談時に、事件をお受けする場合の報酬や経費などのご説明もいたします。その上でご希望の場合は依頼をしてください。持ち帰ってご検討いただいても構いません。


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