高齢者問題における弁護士費用

高齢者問題における弁護士費用は、どういった種類の成年後見制度を利用するかで変わります

高齢者問題の弁護士費用は、成年後見制度のうちどの種類のものを利用するかで変化します。成年後見制度には複数の種類が存在しており、その内容によって後見人となる人が請け負う仕事の中身が変わったりするほか、後見監督人と呼ばれる人を選ばなければならない場合もあるためです。あくまでも一般的な相場での、弁護士費用の目安は以下の通りとなります。

任意後見の弁護士費用

管理財産の価格による手数料

管理する財産の価格による手数料です。一般的には管理する財産の価格が、高額になるほどその割合が減っていくという事になります。
例えば

３００万円以下→管理財産の４.４%（税込）
３００万円超３０００万円以下→管理財産の２.２％＋６万６千円（税込）
３０００万円超３億円以下→管理財産の１.１%＋３９万６千円（税込）

調査費用・実費等

資産・負債の調査費用→１１万円（税込）
書類取寄せ手数料→５,５００円（税込）/1通(印紙代等の実費は別途)
公正証書作成手数料→３万３千円（税込）
日当→公証役場その他の場所への出張→２万２千円（税込）/１回

弁護士に任意後見人を依頼する場合

基本契約金→２２万円（税込）
追加契約金→特殊な管理が必要となる場合は別途２２万円（税込）
管理報酬→５万５千円（税込）/１ヶ月

法定後見の弁護士費用

着手金→２２万円（税込）
追加着手金→１１万円（税込）(特殊な調査が必要な財産である場合などに必要になります)
弁護士を成年後見人等に指定する場合→２２万円（税込）(月額報酬については別途裁判所が決定します)
成功報酬→１１万円（税込）(成年後見において、その開始の審判がされた場合に支払う金額です)

また任意後見、法定後見その他高齢者問題全般について相談料として３０分あたり５,５００円（税込）がかかります。

弁護士費用以外にも家庭裁判所や公証役場に対して支払う手数料等がかかります

必要となる費用につきましては、弁護士への費用以外に家庭裁判所や公証役場へ支払う手数料が別途かかることになります。さらに後見監督人が選任されているという場合には、さらに後見監督人に対する報酬の支払いを家庭裁判所により決定される場合があります。

さらに任意後見において、医師など弁護士以外の専門家を併せて選任したような場合には、別途報酬を支払う必要もあります。

この時に注意しなければならないのが、誰が後見人や後見監督人に選ばれたかという点において裁判所に対して不服を申し立てることはできません。後見人や後見監督人に誰が選ばれたかという点や、その報酬に関して不満があるという事を理由として、審判を取り消したいと主張しても、そういった内容は高確率で却下されてしまいます。

つまり、後見人の候補者を選ぶ際には、あらかじめ、後見人に選任されない可能性ある人を選ばないことや、後見人や後見監督人に支払うことになる報酬をあらかじめ、把握しておくことなどが重要です。